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趣味の写真と日記


by trustyou1st

PENTAX K-7  本音の話

これまで得た情報をもとに再度K-7の実力を考えてみた(加筆修正6.6)。すでに予約を入れているので、6月末には購入できる予定。ただ、発表のころまでの熱も少しさめているので、冷静に使えるところ、もう一歩というところを本音でまとめてみたい。

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■ コンセプト(開発の背景)
 アマチュアからハイアマチュアまでを対象としたPENTAXのフラッグシップモデル。フラッグシップといってもハイエンドを指しているわけではない。PENTAX事業としてのハイエンドは645Dに任せ、APS-Cでのフラッグシップと位置づけたカメラ。K-7は単にK10DやK20Dの買い替えを狙ったものではない。事業を引き継いだHOYAに対してのユーザーの不安を払拭するため、一眼レフ事業に強い意欲を示し、事業継続の安心感をユーザーに与える使命があった。事業譲渡前後に開発、発売されたK20Dで失望し、様子見を決め込んだユーザーのHOYAへの信頼回復ができるかどうかが、最大の経営課題だ。
 K10Dで獲得したユーザーの流出が激しくなり、レンズなどの周辺機器も売れなくなっている。これを防ぐには、安心して使えるボディが必要だ。K20Dで手抜きをした遅れを挽回することがK-7の使命。アマチュアの心をつかむためには、ボディの価格は思い切った価格設定をすることが前提。機能は、他のメーカーにあってPENTAXにないものはない。さらにPENTAXにしかできない機能も奢られた。
 DSLRに必要な機能の開発はほぼ終えたため、K-7以降の開発ペースは緩やかになると思われるが、次の課題はセンサー。高感度への対応は、まだまだライバルに追いついてない。645Dの開発も気になるところだ。

■ 価格
 発売日前後は、ボディで11万円程度と予想。

■ 発表された性能(ボクの予想する開発者の本音)
・センサー
 画素数は同じだが、全くの新開発とのこと。パンフレットにはセンサーの構造の説明はなく、基本性能は同じだが4チャンネル読み出しを付加しただけだと思われる。今回のセンサーの改良は画質ではなく、センサーの読み出し速度を早くすることで、連写性能を上げる目的だったと思われる。
・PRIME2
 4チャンネル読み出しと、動画処理エンジンを組み込んだもので、静止画像については、K20Dとさほど進化していないようにも見える。
・マグネシウムボディ
 質感にこだわった。結果として、たわみがなくしっかりしたボディ剛性となっている。静音性能は特に優れているシャッターユニットなどにも工夫があるのだろう。
・ファインダー
 従来はアマチュア向けに明るさでインパクトを出していたが、欠点としてピントの山が掴みにくくなっていた。明るさを追えば、ピントの合いにくいマットになる。二律背反の課題だが、今回の設計では、キットレンズでは少々苦しいがFの明るいレンズであれば、むしろピントを合わせやすい。この点もハイアマを狙った設計になっている。さらに視野率約100%にこだわったため、明るさが犠牲になった部分もある。ファインダーは残念ながら暗くなってしまったが、小型軽量のプリズムでここまでできたことを評価したい。
・連写とタイムラグ
 AF-Sでは5コマだが、AF-Cでは3コマ程度まで落ちるときがある。AFのアルゴリズムはまだまだ改良の余地がありそう。アルゴリズムを見直しをしたというのは、ソフトの開発力で劣っていたということ。ただ、それも追いついたようだ。劇的な差はこれからはつきにくいのではないか。タイムラグが短くなったことを体感できると思われる。
・DRⅡ
 おそらくオリンパス並みになったはず。でもオリとの特許係争にならないのか心配。
・測光
 測光は16分割から77分割になり、より精度が上がった。でも77ってどう見ても7のこじつけ?に見える。
・構図微調整とシフト撮影
 独自のセンサー構造だからできる機能。これは正直今回の一番のサプライズ。今回は1mm程度しか動かないようだけど、シフトレンズがいらなくなるぐらい動けば、結構インパクトのある機能。次世代ではどんな改良がされるのか楽しみ。
・デジタル水準器
・デジタルフィルター
 HDR(ハイダイナミックレンジ)は露出の異なる3コマを合成して階調を広げる機能。リコーの2番煎じだが、デジカメの最大の欠点であるダイナミックレンジをカバーする機能。根本的にはセンサーで何とかして欲しいところ。
・高感度特性
 これから追い込むことになっている。センサーは基本的には変わっていないはず、あとはSILKYなどの力を借りてソフトの改良で改良するしかない。ほぼ完成していると思われるが、ISOの最高感度が変わっていないので、あまり期待できない。K20D並みかちょっといいくらいと予想、でてきたサンプル画像も予想の範囲内。K20Dはノイズと解像感のバランスがよかったが、K-7でもどうやらその方向は維持しているようだ。
・長秒時のノイズリダクション
 OFFができない。ONということはダークフレームを同じ時間とって、いわゆる引き算をしなければいけないということ。K10Dは熱かぶりがひどかったが、K20DやK-7では、強制的にダークフレームをとっている。RAWデータを出したくない(出せない)からで、おそらく熱かぶりが30秒からでてくると思われる。ここはまだキャノンに大差がついている可能性がある。次世代機では、センサーの基本性能をよくして欲しい。ここはセンサーメーカー次第。

■ ボクの評価
 K-7は買収前のPENTAXの作った技術を元に作った最後のデジタル一眼になるのではないだろうか。今後はHOYAのコストダウン要望にこたえる形で、事業が再編されるように思われる。でも、それでもこれだけのボディをちゃんと作れるということは、PENTAXも捨てたモンじゃない。会社を去っていった人たちも、きっと欲しいカメラに仕上がっていると思う。僕もPENTAXとの付き合いを続けようと思っている。
 改めて、Kマウントのレンズやストロボを買おうと思い始めた。やはり会社の姿勢がわからなければ、積極的に特にレンズは買えない。ボクらにそんな気持ちが出ただけでも、PENTAXは一息つけただろう。

■ PENTAXへの要望
 K-7の次はK-7とK-mの間になると予想していたが、K-mをきちんとマイチェンするか後継機を出さないと、売れ筋のエントリーモデルで負けてしまう。され、どんなラインナップになるのだろうか。ネーミングは仮にK-3として、そのスペックは、K-7のスペックからボディがエンプラになったようなものを予想している。動画撮影中のAFもできるようになったり、もう少し素人受けするような手軽さがポイントだとおもう。
 一番の要望はK-7の実勢価格を下げないこと。CANONが5DMarkⅡの価格を下げないように、売れなくなっても安易にK-7のようなフラッグシップの価格を下げないことだ。K-20Dの後継機を出して、そっちは多少下げてもいい。CANONのようにファームアップなどで機能アップをして延命すれば、価値を維持できるはず。むやみに自分で価値を下げないことだね。よろしくお願いしますよ。一年たっても、10万円は絶対切らないでください。安くして数売っても、将来につながらないことはK20Dでわかったでしょう?

 ファームアップで直して欲しいのは、長秒時のノイズリダクションのOFFができること。動画中のAFができるようにすること、発売までに間に合わなかった機能を付け加えて欲しい。

  今回気がついたことだけど、画質に関してはかなりSILKYPIXの技術が使われている。付属ソフトについている覆い焼きなど、やってみればわかるけど、常用してもいいくらいの機能。自社でやれないことはアウトソースする気持ちでよいと思う。その分、ハードにこだわって欲しい。若い技術者の育成をちゃんとやって、新しい技術を開発してくださいね。
by trustyou1st | 2009-05-24 23:41 | 機材